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契約電力とは? 高圧・特別高圧の契約電力の仕組みについて解説

※編集部注:【2024年8月22日更新】

契約電力とは、毎月使える電力量の上限のことです。企業(低圧・高圧電力)の場合、上限を超えて使ったとしても電気を止められるわけではありませんが、超過した分だけ翌月以降の契約電力が上がることになります。

設定された契約電力が上がれば基本料金が上がる仕組みのため、電気代の値上げにつながってしまうのです。

つまり契約電力を抑えることが、電気代を削減するにあたって非常に重要です。本記事では、契約電力の概要や計算方法などについて解説していきます。

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契約電力とは?

前述の通り、契約電力は毎月使える電力量の上限を指します。施設の規模によって、契約電力の幅はさまざまです。

中小ビルや中小規模の工場であれば、契約電力2,000kW以内に収まるのが一般的です。契約電力が2,000kW以上になると、特別高圧電力と呼ばれる分類になり、年間電気代が数億〜数十億円の水準になります。

20240819_図解修正6点

また契約電力の規模によって、その決定方法も違ってきます。

のちほど詳述しますが、契約電力が50〜500kW未満の高圧電力(小口)では、最大需要電力に応じて契約電力が決まる実量制がとられています。一方、契約電力が500kW以上の高圧電力(大口)と特別高圧電力では、電力会社と需要家の協議によって決まる協議制がとられています。
いずれにしても、契約電力によって基本料金が決まる点は共通です。契約電力と基本料金の関係は、次の図のようになります。

高圧電力の基本料金の内訳-1

負荷設備の種類

電気を送る負荷設備には、単相と三相の二つがあります。照明やコンセント、小型電動機などの小型電気製品は単相電源によって供給されます。一方、大型電動機や電熱器などの大型電気製品は三相電源から供給するのが原則です。

設計照度や冷房・暖房など、施設が必要とする能力に応じて電気容量が大きく変動するため、多くの電気を使う工場などでは効率よく電気を送れる三相が選ばれる場合が多いです。
関連記事:主開閉器契約とは? 負荷設備契約との違いも解説

 

契約電力の算定方法

契約電力によって基本料金が決まる仕組みを、もう少し詳しくみてみましょう。

高圧・特別高圧受電における契約電力

契約電力の値は、瞬時的な電力使用量で決まります。そのため、仮に全体の電力使用量をどれだけ削減したとしても、ある瞬間に使われるピーク値が高ければ、契約電力と基本料金は下がりません。

このピーク値を最大需要電力(デマンド値)と呼びます。

最大需要電力は、当月を含む直近12カ月間でのピーク値を指します。このピーク値は、30分ごとの平均使用電力(kW)によって決まります。

たとえば1日24時間を30分ごとに分けると、48コマあることになります。1ヵ月間(30日)では1,440コマです。この1,440コマの中で最も平均使用量が高いコマが、月次の最大需要電力となります。
そして直近12カ月の月次最大需要電力の中で、最も高い値が契約電力になるのです。

この仕組みを具体的な数値でみてみましょう。
たとえば2023年8月から電力を使い始めたとします。8月の最大需要電力は60kWでした。そうすると2月の契約電力は60kWです。

20240819_図解修正6点1

翌9月の最大需要電力は63kWに上がりました。そうすると契約電力も63kWに上がることになります。

20240819_図解修正6点2

その後、気温が下がって涼しくなり、10月の最大需要電力は59kWに下がりました。しかし契約電力は63kWのままです。前述の通り、当月を含む直近12カ月での最大需要電力が契約電力になるからです。

20240819_図解修正6点3

さらにこれ以降、最大需要電力が63kWを上回ることなく推移し、2024年9月になったとします。するとこの時点から直近12カ月の中での最大需要電力は、2024年2月の61kWです。そのため契約電力は63kWから61kWに下がることになります。

20240819_図解修正6点4

このように一度契約電力が上がると、向こう12カ月間にわたって基本料金を押し上げてしまうため注意が必要です。

変圧器容量から算定する契約電力

また、設置している変圧器容量から契約電力を算定する方法もあります。計算式は以下の通りです。

~50kVA kVA×0.8kW
51kVA~100kVA kVA×0.7 + 5kW
101kVA~300kVA kVA×0.6 + 15kW
301kVA~600kVA kVA×0.5 + 45kW
601kVA~ kVA×0.4 + 105kW

例えば、施設内に合計100kVAの変圧器が設置されている需要家であれば、100 × 0.7 + 5 = 75kW が契約電力として算出されます。この計算式では、変圧器容量が大きくなるほど需要率が小さく設定されています。

需要率は、照明や空調など用途によって数値が変わるため、負荷設備の容量が明確であれば、個別負荷の容量を積算して計算することでより精度が高くなります。

受変電設備を設計する場合、負荷設備の規模に応じて低圧・高圧・特別高圧のどの電圧にするかを決めておく必要があります。一般的に、契約電力50kW未満の場合は低圧、50kW以上2,000kW未満の場合は高圧、2,000kW以上の場合は特別高圧となります。

低圧の場合、そのまま使用できる低い電圧が供給されるため、区分開閉器を設けるなどですみます。しかし高圧や特別高圧の場合、6,600Vや66,000Vという高電圧を、照明やコンセントなどでも使用できる電圧まで変換する受変電設備を設置する必要があります。

契約電力がどのようにして決定するのか、「実量制」と「協議制」については次の章で詳しく解説します。

 

契約電力の決め方

契約電力はどのようにして決まるのでしょうか。実量制と協議制の2つの方法について見ていきましょう。

実量制:契約電力50〜500kW未満の高圧小口

契約電力が50〜500kW未満の高圧小口の契約の場合、実量制が採用されます。
実量制とは、直近12か月の最大使用電力量のうち、もっとも高い月の数値(kW)が契約電力として設定される仕組みです。毎月の最大使用量が契約電力に大きく影響するため、電気代削減にあたっては最大使用量を抑えることがとても重要な要素となります。

協議制:契約電力500kW以上の高圧大口・特別高圧

契約電力が500kW以上の高圧大口・特別高圧の場合、協議制が採用されます。
協議制では、1年間の最大需要電力を基準として、電力会社と需要家の協議によって契約電力が決定します。協議制の流れは、実量制と同様に12カ月のデマンド値を算出したあと、「使用する設備の負荷」「受電設備の内容」「同一業種の負荷率」などが考慮され、詳細が決定します。

基本的な決め方は実量制と似ていますが、高圧大口・特別高圧の需要家は配電用変電所を通さない電力網から直接電力供給を受ける仕組みです。そのため、停電や事故時の影響が大きい可能性があります。協議制度では、法人ごとの状況が検討されたうえで協議が行われ、最終的な電力契約が決定されます。
関連記事:高圧電力契約での基本料金の仕組みとは?

 

契約電力を下げるには?

20240819_図解作成1点

契約電力を下げるにはどんな方法があるのでしょうか。
直近12カ月のピーク値である最大需要電力が契約電力になるため、当然その値を下げることが契約電力を抑えることにつながります。ここでは、契約電力削減の主な手段であるピークカット・ピークシフトの2つについてご説明します。

ピークカット

ピークカットは、空調や照明、生産設備といった機器による電力使用量を減らすことでピーク値を抑える施策です。ピークカットによって特に期待されるのは、基本料金の削減です。電力使用のピークである最大需要電力(デマンド値)を抑えることで契約電力を削減し、ランニングコストを低減できるというメリットがあります。

ピークシフト

ピークシフトは、それぞれの機器の稼働時間帯を分散させることでピーク値を減らす施策です。1日の中で電力の使用量には波があります。例えば一般的な工場での電力使用量は、日中に多く夜間に少ない傾向があります。
こうした電力使用量カーブの山の部分を、谷の部分にシフトするのがピークシフトです。ピークの時間帯に使う電力を減らし、代わりに電力使用の少ない時間帯で使うため、電力の使用総量としては変わりません。関連記事:電力のピークシフトとピークカットとは?

 

まとめ

日々の省エネ活動で使用電力量を削減するだけでは、電気料金を下げるのに十分とは言えません。もう一つの大きな要素である「契約電力」に着目し、年間を通して自社がどのような電気の使い方をしているかを改めてチェックしましょう。

キーワードは「ピークカット」「ピークシフト」です。ピーク値を基準に考えることで、これまで見えなかった省エネ対策に気づけるかもしれません。

ピーク値を下げる最も手っ取り早い方法は、契約受電設備そのものを減らすことです。もしくは、年間を通して使用している契約負荷設備を減らすのです。

この方法だと確実にピーク値をカットすることができます。しかし現在使用している電気設備を減らせば、業務や職場環境などに影響を及ぼす可能性は高いでしょう。

ピークカットもしくはピークシフトによって最大需要電力を抑える、かつ業務への影響を最小限にとどめる適切な施策を打つには、現状の電力使用状況を正確に把握することが必要です。つまり電力の「見える化」が重要になります。デマンド監視装置やデマンドコントローラーのような見える化装置の導入も有効でしょう。

 

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