
自社の施設による電力使用状況を知る上で、負荷率は重要な指標になる。
より安い電力プランを探す際も、自社の電力使用状況に合った会社を探すことがポイントになるが、マッチングの良し悪しを判断するために必須の数値が負荷率だ。
電力会社がより安い見積もりを出せるかどうかは、施設の負荷率によって大きく変わってくるからだ。
負荷率が高い例と低い例
負荷率とは、その施設が使用できる電力の最大容量(契約電力)のうち、実際にどれだけの電力を使用したかを示す割合となる。
- 負荷率=【平均電力(kWh)/最大電力(kW)】×100
使用した電力が最大容量に近いほど、負荷率は高くなる。
たとえば24時間営業のスーパーや、週末も休みなく稼働している工場などは、負荷率が高い施設の一例だ。
一方で夏季にしか営業しないスキー場や、長期の休日がある学校などになると、最大容量に対する電力使用の割合は小さくなる。この場合は負荷率が低い例だ。
つまり施設の負荷率が高いほど、電力を有効に活用できていると言えるだろう。
ちなみに国内の負荷率の水準は、1990年代は50%台で推移していたが、2000年代以降は60%代まで改善されている。ピークカットやピークシフトといった負荷率平準化の取り組みが進んだことが影響しているようだ。
日本の年負荷率の推移(出典:資源エネルギー庁資料のサイトより)
負荷率でみる、電力会社との相性
より安い見積もりを引き出しやすい電力会社は、自社の負荷率の水準によって異なる場合もある。
負荷率が高い施設であれば、東京電力や関西電力といった大手電力会社(旧一電)で電気代が安くなる傾向にあると言われる。
休みなく稼働する負荷率の高い施設が対象であれば、電力会社の発電設備(石炭や原子力、一般水力など)の稼働率が高くなるため、発電コストが下がり値下げしやすくなるからだ。
一方でスキー場や学校のように負荷率の低い施設であれば、新電力のほうが安くなりやすい、と一般的には言われる。これは新電力は基本料金における価格競争力を出しやすい、と言われていることと関連している。
大手電力会社と違って、多くの新電力は自前の発電設備を保有していない。主に電力の卸売市場などから電気を調達している。
つまり発電所の固定費がかからず、大手電力会社のように発電費用を基本料金に乗せる必要がないため、基本料金における価格競争力を出しやすい、という理屈だ。
使用できる電力の最大容量のうち使用量が少ない、つまり負荷率の低い施設は、電気代に占める基本料金の割合が大きい。そのため新電力が価格競争力を発揮しやすい施設なのだ。
ただ最近では電力の卸売価格低下の影響などもあり、新電力でも高負荷のユーザー企業に安い見積もりを出すケースも目立ってきた。
電力会社を取り巻くビジネス環境によって、上記の傾向も変わってくるため、あくまで参考情報としてとらえる程度で良さそうだ。
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