関西電力株式会社の高圧法人向け電気料金プランを解説

※編集部注：【2024年5月10日更新】

関西電力株式会社は、電気事業再編に伴い1951年に設立された、大阪府大阪市に本社を置く電力会社です。電気事業のほか、熱供給事業、通信事業、ガス供給事業なども行っています。

本記事では電力会社として関西電力株式会社が提供する法人向けの電気販売サービスについて、高圧電力を中心に解説します。提供サービスや申し込みは、家庭向け電気料金プランとはどれくらい異なるのでしょうか。また、法人の電気代削減の方法もあわせて解説します。

関西電力株式会社の法人向け電気販売サービスについて、供給エリアや電源構成のほか、契約期間や支払い方法といった契約に関する情報などをご紹介します。

関西電力株式会社の企業情報（沿革・サービス内容）

関西電力株式会社は、電気事業再編に伴い1951年に発足しました。黒部川の水力発電所開発や、はやくから原子力発電の研究に着手するなど、長年にわたって積極的な発電所の建設を手がけています。

また、アジアや欧米など世界11ヵ国で発電や送電のプロジェクトへの参画や、電源のゼロカーボン化、水素社会の実現に向けたプロジェクトを推進しています。電気のみならず、さまざまな社会インフラサービスを提供するプラットフォーム企業として持続可能な社会の実現に貢献することを目標としています。

株式会社関電エネルギーソリューション（Kenes）についてはこちら。

関西電力株式会社の特徴は？

関西電力株式会社は、長年培ってきた経験と技術によって、燃料の柔軟かつ安定的な調達を実現しています。また、原子力・火力・再生可能エネルギーといった多様な電源をバランスよく組み合わせた発電により、安定した電気供給を行っています。

2016年の電力自由化以降は、関西電力エリアだけでなく関東電力エリアにも進出し、「はぴｅプラス」といった一般家庭用電気プランも提供しています。

関西電力株式会社の供給実績

関西電力株式会社の電力販売状況（2022年度）

出典：経済産業省 資源エネルギー庁の電力調査統計を基にエネチェンジBiz集計

関西電力株式会社の法人向け電気料金プラン

関西電力株式会社の法人向け電気料金プランについてもご紹介します。

家庭向け電気料金プランの切り替えをご希望の方は、こちらをご覧ください。

対応している電力規模

• 低圧電力向け（契約電力50kW未満）
• 高圧電力向け（供給電圧6,000ボルト以上）
• 特別高圧電力向け（供給電圧20,000ボルト以上）
  
  

供給エリア

関西電力株式会社の供給エリアは、以下のエリアです。

• 関西電力エリア
• 東京電力エリア（低圧のみ）
  
  

関西電力株式会社のCO2排出係数・電源構成は？

関西電力株式会社のCO2排出係数と電源構成は、次のとおりです。

関西電力株式会社の電源構成（2022年度）

• 原子力：20.3％
• 石炭火力：19.5％
• LNG火力：22.3％
• 石油火力：3.4％
• 水力（3万kW以上）：8.8％
• 水力（3万kW未満）：1.8％
• 太陽光：0.3％
• 風力：0.0％
• 地熱：0.0％
• バイオマス：0.0％
• FIT電気：4.2％
• 卸電力取引所：14.5％
• その他：4.9％

関西電力株式会社のCO2排出係数（2022年度）

• 0.420kg-CO2/kWh（調整後排出係数）

関西電力株式会社の電気料金プランについて

• 標準的な電気料金メニュー

「標準的な電気料金メニュー」は発電施設を活用し、コストを最適化した電源調達によって、電気料金の削減を図るメニューです。 電力需要の少ない時間帯（夜間・日曜日・祝日等）には電力料金を引き下げるなど、電力負荷移行に協力される方向けの料金体系なども用意されています。

※「卸市場価格連動メニュー」は2023年4月1日以降、新規加入を停止しております。

関西電力株式会社の電気料⾦プラン見直し（値上げ）

関西電力株式会社では2024年4月1日から、卸電力取引市場での取引等、小売供給のための電源調達状況の変化を踏まえ、標準メニューの見直しを行っています。
今回の電気料金見直しでは、市場価格の変動を料金に反映する仕組みの新たな導入や、燃料費調整制度の見直しなどにより、高圧・特別高圧の契約者では値上げとなります。

市場価格調整の導入

市場価格調整とは、卸電力取引市場（スポット市場）からの調達による価格変動を、毎月の電気料金へ反映する仕組みです。
これまでの電力量料金は、「電力量料金単価±燃料費調整単価」でしたが、今後は「電力量料金単価±燃料費調整単価±市場価格調整単価」となります。
市長価格調整単価は、平均市場価格と基準市場価格の差額および調整係数に基づき下記のように算定されます。

市場価格調整単価＝（平均市場価格-基準市場価格）×調整係数

関西電力の基準市場価格は10.82円／kWhです。市場価格の3ヶ月平均が10.82円を上回る場合はその分が電気代にプラス、下回る場合はマイナスとなり、3割弱を上限として価格転嫁されます。

燃料費調整制度について

燃料費調整制度とは、電気料金のコストのうち、燃料費は為替レートや原油価格などの影響を大きく受けるため、経済情勢による変動を出来る限り迅速に電気料金に反映させる制度です。
関西電力では2024年4月1日より、小売供給のための電源調達状況の変化を踏まえ、高圧・特別高圧の燃料費調整の前提諸元を見直しします。12月末の燃料費調整単価が4月以降の従量単価に上乗せされます。
燃料費調整単価は、基準燃料価格と平均燃料価格に差が生じた場合、その差額に基づき、次のとおり算定いたします。

燃料費調整単価＝（平均燃料価格-47,000円／kl）×基準単価/1,000

関西電力の基準燃料価格は47,000円／klです。平均燃料価格の3ヶ月平均が47,000円／klを上回る場合はその分が電気代にプラス、下回る場合はマイナスとなります。

電力量料金単価ついて

上で説明した燃料費調整の前提諸元の見直しに際し、契約者の負担が変わらないよう、電力量料金単価の見直しも行われます。
具体的には、「⾒直し前の電⼒量料⾦単価」に「平均燃料価格の燃料費調整単価を加えたもの」と、「⾒直し後の電⼒量料⾦単価」が公表時点において同じ⽔準となるように⾒直し後の電⼒量料⾦単価が設定されます。
季節別の従量単価では、12月末の燃料費調整単価を加えた単価が4月以降の従量単価となりますが、見直し前後でこの2つの単価は同じです。
季時別の従量単価では、12月末の燃料費調整単価を加えた単価が4月以降の従量単価となる点は同じで、ピークタイムの従量単価は下がります（通常昼間と同一）。一方、夜間の従量単価は上がります。

関西電力株式会社の契約について

ここでは関西電力株式会社の高圧・特別高圧電力について、契約期間や支払い方法、解約手続きなどを解説します。

関西電力株式会社との契約期間は？

需給契約は、申し込みを関西電力株式会社が承諾したときから成立し、契約期間は需給契約が成立した日から契約使用期間満了の日までとなります。

関西電力株式会社への電気料金の支払方法は？

口座振替・払込みによる支払いが可能です。

電力使用データや請求書の確認方法は？

電気使用量や電気料金については、関西電力株式会社の「電気ご使用量お知らせサービス」で確認できます。

電気使用量や料金をWEB上で確認でき、使用実績はグラフで見える化されています。最大61ヶ月の過去データを抽出したり、省エネシミュレーションを行う機能なども提供されています。

関西電力株式会社の解約手続きは？

解約を希望する場合、あらかじめその解約日を定めて通知する必要があります。契約電力が500kWh以上もしくは特別高圧の場合は、廃止希望日の3か月前までに廃止期日を定めて通知します。特別の事情がない限り、需給契約は定められた解約日をもって消滅します。
なお、新規契約もしくは契約電力の増加から1年未満で解約・契約電力の減少をする場合、需給開始日から解約日までの期間について臨時電力が適用されます。この臨時電力適応期間の基本料金および電力量料金の合計を、減少契約電力と残余契約電力の比で計算した減少契約電力分料金の20％に相当する金額を支払う必要があります。

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関西電力株式会社から当社提携先の新電力に切り替えできた実績（一例）

注釈：建物の画像はサンプルです。