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ZEB readyはビルのZEB化の第1歩

優れた省エネ・創エネ技術によって、年間の一次エネルギー消費量をゼロもしくはマイナスにできる建築物を「ZEB(ゼブ)」(Net Zero Energy Building)という。

いわばエネルギーの自給自足を目指すZEBだが、より正確には「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB ready」の3段階に分かれる。このうち実現のハードルが最も低いものが「ZEB ready」だ。

「ZEB ready」とはどのような建築物で、どうすれば実現できるのだろうか。事例も含めて詳しく見ていこう。

 

ZEB readyの基準と定義

経済産業省資源エネルギー庁の「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」で、ZEBは次のように定義されている。

「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制や、パッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」

これがZEBの姿であるが、一気にそれを実現するのは難しいため、実現に向けて3つの段階に分けられている。ハードルが低い順に「ZEB ready」「Nearly ZEB」「ZEB」となる。

三段階の定義はそれぞれ次のようになっている。

  • ZEB ready:ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
  • Nearly ZEB:ZEBに限りなく近い建築物として、ZEB readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建築物
  • ZEB:年間の一次エネルギー消費量が正味(=ネット)ゼロ、またはマイナスの建築物

 

また、実現にあたっての判断基準は次のようになっている。

  • ZEB ready:再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から、50%以上の一次エネルギー消費量を削減した建築物
  • 「Nearly ZEB」:「ZEB ready」の基準をクリアした上で、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減(再生可能エネルギーを含む)
  • 「ZEB」:「ZEB ready」の基準をクリアした上で、基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減(再生可能エネルギーを含む)

 

つまり現在のエネルギー消費量を省エネ基準の50%以下まで削減するのが「ZEB ready」、25%以下まで削減するのが「Nearly ZEB」、0%以下まで削減するのが「ZEB」である。

これから分かる通り、「ZEB ready」とその後の二段階とでは、「再生可能エネルギー」を使うか使わないかという点でも異なっている。

つまり、「ZEB ready」はあくまで「省エネ」を進めることでエネルギーの消費量を減らすもの。言い換えれば、いま使っているエネルギーを減らすものである。後の二段階はそれにプラスして「創エネ」、つまりエネルギーをつくってそれを利用することで、さらに消費量を減らそうというもので、より積極的なアプローチになっている。

ZEBの実現方法(出典:「ZEBの定義」(環境省))を加工して作成

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ZEB readyの実現方法

「ZEB ready」を実現する技術には、大きく分けてパッシブ技術とアクティブ技術の2つがある。

パッシブ技術はエネルギーを極力使わなくていいようにしようという技術だ。例えば、建物の壁などの高断熱化、日射の遮蔽、自然換気や昼光の利用といったものがある。

これに対し、アクティブ技術はエネルギーを無駄なく上手に使おうという技術で、たとえば高効率の空調や換気、照明、給湯システムの導入などがある。高効率の制御を実現したエレベーターなどもその例である。

「ZEB ready」を実現するには、この2つを効果的に使い分けることが環境省によって推奨されている。

パッシブ技術を最大限に活用して、言わば建物の外枠(定義で言うところの「外皮」)を高度化した上で、アクティブ技術を極力活用することで、総合的に省エネを実現するのだ。

パッシブ技術とアクティブ技術(出典:「ビルは”ゼロエネルギー”の時代へ。」(環境省))を加工して作成

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このため設計・建築の段階から、先々の「ZEB」を見据え、意匠や構造設計、建築設備設計などで、専門家との相談することが必要である。

当然、「ZEB ready」を達成するには通常の建築物に比べて費用がかかる。「ZEBロードマップフォローアップ委員会」の調査によると、省エネ基準相当の建物と比較して、オフィスビルで約10%、スーパーマーケットで約18%、老人ホーム・福祉ホームで約9%建設費がアップすると試算している。

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ZEB readyの事例

建物のZEB化はまだまだこれからで、このため、実際の導入事例や導入ノウハウを公開することで普及に弾みをつけようと、一般社団法人環境共創イニシアチブはZEBに取り組んだビルオーナーを「ZEBリーディング・オーナー」として登録。2019年10月時点で220の事例が登録されている。

リーディング・オーナーとして登録されている事例の一つに、ダイキン工業による「ダイキン工業福岡ビル」がある。

同ビルは築後約20年を経過した中小規模のオフィスビル。一般的にはビルのZEB化は新築ビルが中心となる中で、既築ビルをZEB化(ZEB ready)した点が特徴だ。

ダイキン工業福岡ビル(出典:同社サイトより)

福岡ビル

結果的に一次エネルギー消費量を基準値に比べ67%削減することに成功。当初の目標だった55%を大きく上回った。また、最大デマンド値を156kwから86kwに下げたことで基本料金を削減でき、40%もの電気代削減を実現したという。

ポイントは、オフィスでのエネルギー消費量の多くを占める空調に照準を絞った点だという。

・温度と湿度を別々に制御するシステムの導入

・空調と換気、照明の一括制御

・遠隔監視システムによる空調の最適容量の選定

 

施策の詳細は、別の記事にて紹介している。

 

まとめ

「ZEB ready」は建物内でエネルギーを自給自足できるZEB化の第一ステップ。単にエネルギーや光熱費の削減だけでなく、不動産価値やブランド価値のアップ、さらには万一の災害時の事業継続にも大きく貢献する。長期的な視点でコストと価値を考えることが必要だ。

 

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