近年、エネルギーコストの高騰を受け、学校・教育機関の電気代削減が喫緊の課題となっています。電気代を抑えることは財源の有効活用にも大きく貢献します。
学校・教育機関の電気代削減で、財源の有効活用を実現するためにはどのような考え方が必要なのでしょうか。この記事では、今すぐ取り組みを始めるための参考情報をご紹介します。
学校・教育機関と電気代についての基礎知識
本章では、学校・教育機関の電気代に関する基礎知識と一般的な現状について解説します。電気代の内訳を知ることで、より具体的な節電対策へとつなげられます。
学校・教育機関の電気使用量の平均的な内訳
学校・教育機関の電気利用状況は、季節によっても変わります。経済産業省エネルギー庁が公表している「夏季の省エネ節電メニュー」によると、学校(小・中・高、夏季の点灯帯)では消費電力のうち、空調が37.0%、照明が33.4%で7割以上を占めていました。
一方、同省同庁が公表している「冬季の省エネ・節電メニュー」によると、学校(小・中・高、冬季の1日間)では消費電力のうち空調が40.8%、照明が31.4%とやや空調が増加しています。そのほかでは、給食室や家庭科室で利用する調理機器やパソコンなどが主な電気使用量の内訳として挙げられます。
参考:経済産業省|事業者向け省エネ関連情報
学校・教育機関の電気代削減の必要性
電気代の削減は、財源の有効活用にも大きな影響を与えます。本章では、学校・教育機関の電気代削減の必要性について、その理由を更に詳しく説明します。
電気代の高騰
近年、記録的な円安と燃料価格の高騰により、電気料金は著しい上昇を見せています。宿泊施設における電気代は、膨大なものとなり、企業経営に深刻な影響を与えています。電気代削減は、単なるコスト削減ではなく、企業の存続に関わる重要課題といえるでしょう。
また、タブレットの普及により、学校・教育機関であってもOA機器による今後の電気代増加はまぬがれません。
2023年6月から大手電力10社のうち7社は、国から認可を受けて「規制料金」を値上げしています。審査によって最終的な値上げ幅は、当初よりも抑えられましたが、平均23.22%~平均39.70%の値上げとなっています。
関連記事:法人の電気料金の値上げ・高騰を徹底解説。電力会社の適切な比較、見直し方法は?
学校・教育機関の電気代を削減する方法
ここまで学校・教育機関の電気代削減に関しての基本的な知識と、その重要性について見てきました。しかし、「具体的な対策方法がわからない」「実際にどこから手を付ければ効果的なのか」といった疑問を持つ場合も多いのではないでしょうか。そこで、ここからは学校・教育機関の電気代を今すぐ削減できる、実践に向けた具体的な取り組み方法について解説していきます。
学校・教育機関の照明機器で電気代節約
照明機器は、空調機器に次いで電力消費量の大きな割合を占めています。使い方を見直すことで、電気代削減に大きく貢献します。照明機器の主な節電方法には、以下の8つが挙げられます。
- こまめに消灯する
節電の基本中の基本ですが、意識的に取り組まないと日々の業務のなかで忘れやすくなります。教室移動の際や使っていないトイレなどは、必ず消灯する習慣づけを行いましょう。 - LED照明に交換する
LED照明は、従来の蛍光灯や白熱灯に比べて消費電力が約58~84%削減でき、寿命は約40倍長持ちする点が特長です。初期費用は高くなりますが、交換の手間を軽減しながらランニングコストの大幅な削減が期待できます。 - 照度を調整する
照度が明るすぎると、無駄な電力消費となります。照度調整が可能な機器であれば、必要十分な明るさに調整することで、節電可能です。目の健康にとっても、照度は大切になるため、明るすぎず、その場所にあわせた照度を選びましょう。 - 人感センサーやタイマーを活用する
人感センサーやタイマーを活用すれば、人がいない場所や時間帯の照明を自動的に消灯可能です。人の出入りが多い場所や教室などに設置することで節電効果を得られます。 - 間接照明を活用する
間接照明は、天井や壁に光を反射させて照らす照明です。直接照明に比べて、必要な照度を確保できると同時に、省エネ効果も期待できます。加えて、リラックス効果も期待できるため、休憩室や談話室に向いています。 - 自然光を活用する
ブラインドやカーテンを調整し、自然光を活用することで、照明機器の使用時間を減らせる場合もあります。特に掃除の時間や休み時間などはできるだけ昼光を活用しましょう。 - 省エネ性能の高い照明器具を選ぶ
新たに照明器具を選ぶ際には、省エネ性能の高いものを選ぶようにしましょう。省エネ性能は、照明器具のラベルに記載されています。 - 定期的な清掃を行う
照明器具が汚れていると光の反射効率が低下し、同じ電源でも暗く感じます。定期的な清掃で、節電効果を向上させましょう。
学校・教育機関の空調機器で電気代節約
先述したように、学校・教育機関の電気代の多くを占めるのが空調です。近年は、密閉性の高さや安全性の配慮から季節によっては窓を開けずに空調を使っている学校・教育機関も少なくありません。空調の節電は、電気代の削減に大きな効果が期待できます。空調機器の主な節電方法は、以下の8つです。
- 設定温度を見直す
空調機器の消費電力は、設定温度と外気温の差が大きくなるほど増加します。夏は28度、冬は20度を目安に設定し、こまめな調整を行うことで無駄な電力消費の抑制につなげることができるでしょう。例えば、リモコンのロック機能を使って、設定温度の管理を徹底することも有効策のひとつです。 - 2.サーキュレーターを活用する
サーキュレーターを活用すれば、室内の空気を循環させることができるため、冷暖房の効果を高められます。空気の動きにより1カ所に温かい空気や冷たい空気が滞留せず、効率的な冷暖房効果が期待できるでしょう。 - 3.フィルター掃除をこまめに行う
空調機器のフィルターが汚れると空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が低下します。また、フィルターの目詰まりは機器の稼働に負担をかけるため、電気を余分に消費しかねません。そのため、フィルターは2週間に1回程度掃除し、常に清潔な状態を保ちましょう。 - 4.日射遮断対策を行う
窓から入る日射は、室温を上昇させる大きな要因となります。夏場は、ブラインドやカーテンを活用し、日射による室温の上昇を抑制すると空調機器の負荷を軽減できます。 - 5.局所的な冷暖房を併用する
各コーナーへの扇風機の設置、局所暖房の導入など全体的な空調設備と併用し、各スペースの快適性を向上する工夫も大切です。施設全体を対象とする空調のみでは、暑すぎたり寒すぎたりするケースも少なくありません。局所的な冷暖房をバランスよく併用することで、施設全体の電気代削減が期待できる場合もあります。 - 6.ゾーニングによる空調制御
施設内のすべてのエリアを均一に空調するのではなく、利用頻度や時間帯に応じて空調を制御することで、無駄な電力消費を抑えられます。 - 7.省エネ性能の高い空調機器への更新
古い空調機器は、新しい省エネ性能の高い空調機器に比べて、消費電力が大幅に高くなります。買い換えのタイミングを検討し、省エネ性能の高い空調機器への更新を検討しましょう。空調設備の見直しの際に、上記のゾーニングをあわせて検討するのも効果的です。また、人感センサー付きの機器を導入すれば、人員にあわせて自動的に制御できるため、電気代削減効果が高まります。 - 8.体育館の連続利用
体育館の空調負荷はほかの教室よりも多くなります。空調は始動から設定温度に到達するまでに多くの電力を消費するため、頻繁に電源をON/OFFせずに、体育館を連続利用できるような時間割を組むのがおすすめです。
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切り替え前:約5,040万円
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切り替え後:約1,300万円
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切り替え後:約4,340万円
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注釈:建物の画像はサンプルです。
電気使用状況の「見える化」が省エネと電気代削減のカギ
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こちらは関東地方の大学のデータです。年間電力使用の特徴は一般的で、夏・冬の空調の稼働が多くなる時期に需要が伸びる傾向です。大学としての特徴は出ており、同じ夏でも7月が使用量が多く、8・9月は夏休みに入るため、7月とく比べると極端に使用量が減ります。
冬も同様のことが起こっています。日毎需要カーブも大学としては典型的な需要カーブを描いています。使用量削減には使用電力の大きくなる古い型の空調を使用の際は空調リプレイスなどが効果的です。
また、太陽光システム導入の対費用効果の簡易試算なども同時に行えます。電力会社を見直しすることによるコスト削減はもちろん大切です。
太陽光導入に関しては、日毎需要カーブから太陽が照っている時間帯の需要が大きいため、太陽光を導入し自家消費も非常に効果的と考えます。
重要なことは自社の電力使用状況を把握し効率よく管理することで社会的貢献や持続可能なビジネスを築くことと考えます。簡易分析もお気軽にご相談ください。