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BCP対策としての蓄電池、最新動向をPVエキスポで追う

BCP(事業継続計画)対策を検討する企業が増えている。

地震や豪雨など自然災害が最近多発しているが、それに伴う停電の長期化といった事態に企業としてどう対処するかが問われているのだ。

エネルギー関連のソリューションでいえば、蓄電池や自家消費型の太陽光発電の導入可否は、主要な検討項目になるだろう。

しかし太陽光発電だけでは日没後は発電できない上に、その際に重要になる蓄電池の価格はまだ高い。

一方でベンダー企業たちは、そうした課題に対応する製品を続々と出しているようだ。

蓄電池よりも安価に導入できる燃料式の発電機や、それぞれのメリットを組み合わせたハイブリッド電源システムなどが一例だ。

9月に開催される太陽光発電展(PV EXPO)では、そうした製品が一堂に会する。

◆開催概要(第8回[関西]太陽光発電展

  • 会期:202099日(水)~11日(金)
  • 会場:インテックス大阪
  • 主催:リードエグジビションジャパン(株)

招待券の申し込みはこちら

※来場には招待券が必要となります。

◆同時開催展

 

前回の記事では、自家消費型の太陽光発電に関するセミナーや展示内容を紹介したが、今回はBCP対策を見据えた蓄電池関連の動きをみていく。

 

ブース紹介

 

三菱ガス化学(株)

同社は、非常用電源や遠隔地電源として利用できる電池を展示する。直接メタノール形燃料電池(DMFC)と呼ばれる電池で、非常用電源や遠隔地電源として活用できる。

燃料であるメタノールから水素を経ずに直接電気を作る仕組みで、蓄電池よりも給電時間が長く、充電も不要と言ったメリットがあるという。

DMFCの特徴(出典:三菱ガス化学資料より)

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燃料が続く限り電池をつくることができるため、電池というよりは「発電機」に近い特徴だとしている。

 

(株)エネテク

蓄電池の価格はまだ高いため、関心はあるが導入を見送る、もしく容量の小さい蓄電池を選ぶ、といった選択肢になりがちだ。

そうしたコストの課題を解決し、BCP対策として実用的なソリューションとしてエネテクが着目したのがLPガス発電機だ。

燃料を備蓄さえすれば、インフラに依存せず発電できる。立ち上がりに時間がかかるなどのデメリットはあるものの、蓄電池に比べ大幅に安価で導入できるという。また同じく燃料式であるディーゼル発電機と異なり、燃料の劣化がなく、いざという時に確実に稼働するというメリットもある。

各電源のメリット・デメリット(出典:エネテク資料より)

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このLPガス発電機と自家消費型の太陽光発電設備、蓄電池を組み合わせて制御するハイブリッド発電システムが「EGGS」。それぞれの電源のメリットを活かした設計・制御を行っていくという。

EGGSの運用モデル例(出典:エネテク資料より)

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また非常用電源としてだけでなく、電気代の基本料金を削減するためのピークカットにも活用できるとしている。

 

(株)ニプロン

ニプロンは、蓄電式PV自家消費システム「PV Oasis」を展示する。

自家消費設備を導入する際は、発電量が消費量を上回ることで生じる「逆潮流」を防ぐことがポイントの一つになるが、PV Oasisでは蓄電システムによってこれを解消する。パワーコンディショナーやRPR(逆電力継電器)といった関連機器も不要になるという。

また太陽光が発電していれば優先して給電、太陽光がなくなれば電力会社から給電、停電になれば非常用電池から給電といった優先制御も可能になる。

システムイメージ(出典:ニプロン資料より)

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(株)YAMABISHI

YAMABISHIは、自家消費システムに蓄電池を活用するメリットとして、「1.昼間に蓄えた電力を夜に放電することで電気使用量を削減」、「2.電力使用のピーク時に放電することで電気代の基本料金を削減」、「3.BCP対策として停電時に活用する、の3つを挙げている。

しかしそれぞれで充電率の前提が相反することが課題だった。たとえば2の目的で活用するのであれば、充電池への充電が十分されていないといざという時に活用できない。一方で1の目的であれば、事前に放電されていないとすぐにフル充電となり発電制限になってしまう、という具合だ。

そうしたジレンマを解消するためのソリューションが、自家消費最適化制御「SmartSC」だ。

同システムでは事前に電力余剰分を予測。必要な充電率をその都度柔軟に変えていくことで、3つのメリットの両立を図る。

SmartSCの効果(出典:YAMABISHI資料より)

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(株)イクロス

環境機器メーカーの同社は、小型バイオマスボイラ「Bailer e7」などを展示する。

同社は元々、医療機関にオムツや医療着を納品する会社だったが、再生燃料ボイラの開発も始めている。

Bailer e7」は、廃プラスチックや木チップ、竹チップなど、多様かつどこにでもある燃料を用いた発電が可能。環境負荷を低減しつつ、燃料費の削減との両立も狙う。

Bailer e7(出典:イクロス資料より)

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金沢工業大学などでの導入されているほか、複数のメディアでの紹介実績も持つ。

 

 

セミナー紹介

 

セミナー1:自家消費における蓄電池の活用方法

(株)村田製作所は、自家消費関連製品の開発に関する取り組みを「自家消費時代の太陽光・蓄電池の活用方法について」(PV-3)にて紹介する。

登壇するのは同社の豊原秀彦氏(営業本部 日本営業統括部 エナジーシステム営業部 エナジーシステム販売1課 シニアマネージャー)。

住宅における自家消費も、従来の売電から自家消費に移行しつつあるとみる同社。自社システムの蓄電池にLiイオン2次電池(LIB)を選定した理由も解説するという。

セミナー2:蓄電池ビジネスについて

大阪府は、蓄電池や水素・燃料電池関連ビジネスの拡大を支援する目的で、バッテリー戦略推進センター事業を実施している。

蓄電池が切り拓く新時代のスマートエネルギー構想」(BJ-S3)では、府内に多くいる中小・中堅企業のビジネスマッチングをはじめとする同事業を西村尉辞氏(大阪府商工労働部 センター長)が紹介する。

また同じセッションにて、EV用リチウムイオンバッテリーなどを製造する(株)エンビジョンAESCグループの松本一氏(CEO)も登壇する。

過去10年間で50万台以上のEVに採用され、発火などの重大不具合はゼロだという製品を製造してきた同社が、リチウムイオンバッテリーのこれまでの進化や今後について解説する。

 

セミナー3:自家消費型太陽光の最前線

 自家消費型太陽光の最前線」(PV-S2)では、NTTアノードエナジー(株)の谷口直行氏(取締役 スマートエネルギー事業本部長)が、NTTグループによる自家消費関連の取り組みを紹介する。

 同グループによるICT技術などを元にした非常時のバックアップサービスをはじめ、5つの事業切口で解説するという。

また同セッションでは、積水化学工業(株)の塩将一氏(住宅カンパニー広報・渉外部 技術渉外グループ長)も登壇。太陽光発電が売電型から自家消費型にニーズが移る昨今。家庭用蓄電池やEVV2H)のの実績データを自家消費に用いることの可能性を解説する。

 

おわりに

「蓄電池は高くて手が出せない」。そうした印象で検討をあきらめていた企業は少なくないだろう。

ただ燃料式の発電機やハイブリッド電源システムをはじめ、蓄電池の課題を打ち消すソリューションは数多い。PVエキスポの展示ではそうした製品動向のトレンドを追うことができるはずだ。

今回は大阪開催だが、来年3月には東京ビッグサイトでも開催される予定のため、関東圏の企業もぜひ次回のPVエキスポを参照してほしい。

 

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