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業務用電力とは?単価や比較方法などを解説

作成者: エネチェンジBiz編集部|2021/08/23 10:13:32

※編集部注:【2024年4月26日更新】オフィスビルやさまざまな商業施設で使われる電力は業務用電力と呼ばれ、一般家庭で使われる電力とは価格や電力プランが異なります。

この記事では、大手電力会社(※旧一般電気事業者)が提供する業務用電力の基礎知識や種類、単価について解説します。また、業務用電力の電気代削減方法や法人向け電力の比較方法など、企業のコスト削減に役立つ情報もあわせてご紹介します。

※旧一般電気事業者とは北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力をいいます。

業務用電力とは?

業務用電力とは、法人向けの電力料金プランを指します。その中でも特にオフィスビルや大型商業施設向けプランの名称として使われます。

業務用電力のプランは、一般家庭用の従量電灯プランと比べて料金が割安に設定されています。オフィスビルや商業施設では、平日昼間の電気使用量が多くなる傾向にあるため、それに適した料金体系になっています。

また、業務用電力では季節によって電気代が変動する特徴があります。エアコンなどの使用により電力需要が高くなる夏は、他の季節と比べて若干電気代が高くなります。

 

業務用電力の種類

大手電力会社(旧一般電気事業者)は、法人向けの電力料金プランを以下の2種類に分けて提供している。

  • ビル・商店・百貨店・スーパーなど向け
  • 工場向け

それぞれの名称は電力会社によってさまざまですが、前者を「業務用電力」、後者を「産業用電力」と呼ぶのが一般的です。また一般的に、業務用電力は次のような電力規模別にプランが用意されているケースが多いです。

  • 低圧電力(契約電力50kW未満)
  • 高圧電力向け(契約電力50kW以上500kW未満)
  • 高圧電力向け(契約電力500kW以上)
  • 特別高圧電力向け(契約電力2,000kW以上)

 

業務用電力と高圧電力の違い

高圧電力は、標準電圧が6,000Vのものを指します。契約電力であれば50~2,000kW未満の範囲において適応されます。中小規模の施設(商業施設や工場、病院など)が主な対象です。

業務用電力も業務施設や商業施設で利用される点ではよく似ていますが、高圧電力は中でも工場に絞って使用されることが多いという違いがあります。

また業務用電力は動力200Vと電灯100Vを併用するのに対し、高圧電力は動力200Vのみを使用するという違いもあります。
参考記事:高圧電力とは? 低圧電力との違いも解説

 

業務用電力の単価

業務用電力の単価は、基本料金単価と電力量料金単価に分けられます。また、それぞれの単価は電力会社によって異なります。高圧電力(標準電圧6,000ボルト)の場合、各社の単価は以下のようになっています(いずれも税込)。

電力会社名(プラン名)

基本料金単価(円/kW)

電力量料金単価(円/kWh)
夏季(7~9月) その他季(10~翌6月)
北海道電力株式会社(業務用電力)* 2,642円60銭
東北電力株式会社(業務用電力) 2,031円70銭 31円67銭 30円47銭
東京電力エナジーパートナー株式会社(業務用電力) 1,890円00銭 20円32銭 19円16銭
中部電力ミライズ株式会社(業務用プラン・高圧業務用電力FR・プランB) 1,914円26銭 19円62銭 18円63銭
北陸電力株式会社(業務用電力) 1,584円00銭 27円25銭 27円25銭
関西電力株式会社(高圧電力AS) 1,911円80銭 14円17銭 13円10銭
中国電力株式会社(業務用電力) 1,996円50銭 31円32銭 29円88銭
四国電力株式会社(業務用電力) 1,665円08銭 28円66銭 27円48銭
九州電力株式会社(業務用電力A) 2,142円78銭 15円85銭 14円92銭
沖縄電力株式会社(業務用電力) 1,967円93銭 32円87銭 31円38銭

※北海道電力株式会社の「業務用電力」の電力量料金単価は、季節別(夏季・その他季)ではなく時間帯別で分類されています(昼間時間が25円59銭、夜間時間が19円75銭)。また昼夜問わず電力量料金単価が一定の「一般料金」メニューでは23円29銭です。

一方で、使用する電力規模が大きくなるほど単価が低くなる仕組みはほぼ共通です。

東京電力エナジーパートナー株式会社の高圧電力と特別高圧電力における単価は、以下のようになっています(いずれも税込み)。

電圧区分 電力会社(プラン名) 基本料金単価(円/kW) 電力量料金単価(円/kWh)
夏季(7~9月) その他季(10~翌6月)
高圧 東京電力エナジーパートナー(業務用電力) 1,890円00銭 20円32銭 19円16銭
特別高圧(60kV) 東京電力エナジーパートナー(特別高圧電力A) 1,715円00銭 18円59銭 17円63銭

またそれぞれの電力会社では、時間帯などでも料金単価を分けています。例えば東京電力エナジーパートナー株式会社の場合、平日昼間の電気使用が多い需要家向けプランと、夜間や日曜・祝日の電気使用が多い需要家向けプランの2種類を高圧電力向けに用意しています。

  • 業務用電力:平日昼間の電気使用が多い需要家向け
  • 業務用季節別時間帯別電力:夜間や日曜・祝日の電気使用が多い需要家向け

後者の「業務用季節別時間帯別電力」メニューでは、電気がよく使われる夜間の単価が比較的安く抑えられている一方で、昼間の単価は「業務用電力」メニューよりも高い特徴があります。

同社の高圧電力(500kW以上)の場合、それぞれのメニューで電力量料金単価が以下のように異なります(基本料金単価は同じ)。

電力会社(プラン名) 夏季 その他季 ピーク時間* 昼間時間* 夜間時間*
夏季(7~9月) その他季(10~翌6月)
東京電力エナジーパートナー株式会社(業務用電力) 20円32銭 19円16銭
東京電力エナジーパートナー株式会社(業務用季節別時間帯別電力) 23円20銭 22円49銭 21円06銭 15円74銭

※ピーク時間:夏季の平日(土曜含む)の13~16時
※昼間時間:平日(土曜含む)の8~22時(ピーク時間除く)
※夜間時間:ピーク・昼間時間以外の時間

 

業務用電力の電気代を削減するには?

業務用電力を含めた法人向け電力会社は自由に選択できます。自社の電力使用状況などにマッチした電力会社を選ぶことで、電気代の削減が可能です。以前はエリアによって契約できる電力会社(旧一般電気事業者)が決まっていました。

しかし電力小売市場の自由化が段階的に進められた結果、現在では電力規模に関わらず多くの新電力を選べるようになっています。

 

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業務用電力など、法人向け電力の比較検討方法は?

ここでは旧一般電気事業者による業務用電力だけでなく、新電力による法人向け電力料金プランも含めて比較検討方法を解説します。

国内に存在する新電力の数は約700社です。高圧・特別高圧電力向けに供給している新電力も600社以上に上っています。誰もが知る大手企業系列に属する新電力や独立系の新電力、地方自治体が運営する新電力など、さまざまな電力会社があります。

電力会社の比較方法、まずは目的を明確に

こうした数多くの新電力の中から、自社に適した企業をどのように選ぶべきでしょうか?
電力会社を選ぶにあたって、自社が抑えたい以下のような要件の整理が重要です。

  • 電気代削減額を重視したい
  • 削減額だけでなく、電力会社の信頼性も重視したい
  • 環境負荷が少ないプランを検討したい

要件を明らかにすることで、見積りを依頼する電力会社を選ぶ際の基準になるほか、各社への提案依頼の前提条件をそろえられます。提案依頼の前提条件がそろっていれば、電力会社から受け取る見積もりを比較しやすくなるでしょう。

契約中の電力会社も含め、複数社を検討

次に、見積もりを依頼する電力会社を選ぶ際は、契約中の電力会社に声をかける方法もあります。複数の電力会社を比較検討した結果、契約中の電力料金プランの見直しが最も安くなった電気代削減事例もあるからです。

また、過去に十分な削減額を提示してもらえなかった電力会社であっても、再度見積もりを依頼すると電気代削減額が変わる場合もあります。

前回の依頼時と比べて自社の電力使用状況が変わった、もしくは電力会社のビジネス状況が変わった、などの要因によって、より大きい削減額を引き出せる可能性もあるからです。このように、より安い見積もりを提供できる可能性のある電力会社の条件はさまざまなため、契約中の電力会社を含む複数社に声をかける必要があります。

ただ、あまりに多くの電力会社に依頼してしまうと、各社とのコミュニケーションが粗雑になってしまうほか、提案内容を管理しにくいといった問題も起こり得ます。
電力会社との関係性も築きつつ、提案内容や諸条件などをしっかり精査できる範囲で、比較検討できると理想的でしょう。

 

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自社だけで複数の見積もりを比較すると、見積り取得や管理、電力会社とのコミュニケーションの手間などがかかってしまいます。

エネチェンジBizであれば、面倒な検討プロセスもエネチェンジBizがサポートするため手間いらず。自社だけで検討する場合よりも、多くの新電力を簡単に比較できます。

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