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スーパーマーケットの電気代削減のポイント! 対策方法や事例を紹介

作成者: エネチェンジBiz編集部|2024/09/25 10:00:00

近年、エネルギーコストの高騰を受け、スーパーマーケットの電気代削減が喫緊の課題となっています。電気代を抑えることは企業の収益改善にも大きく貢献します。

スーパーマーケットの電気代削減で、企業利益の向上を実現するためにはどのような考え方が必要なのでしょうか。この記事では、今すぐ取り組みを始めるための参考情報をご紹介します。

 

スーパーマーケットと電気代についての基礎知識

本章では、スーパーマーケットの電気代に関する基礎知識と一般的な現状について解説します。電気代の内訳を知ることで、より具体的な節電対策へとつなげられます。

スーパーマーケットの電気使用量の平均的な内訳

スーパーマーケットの電気利用状況は、季節によっても変わります。2023年6月に経済産業省エネルギー庁が公表している「夏季の省エネ節電メニュー」によると、食品スーパー(夏季の点灯帯)では消費電力のうち、ショーケースが37.8%、空調が24.3%、照明が16.3%で8割近くを占めていました。


一方、2022年11月に同省同庁が公表している「冬季の省エネ・節電メニュー」によると、食品スーパー(冬季の1日間)では消費電力のうちショーケースが40.8%、空調が10.7%、照明が21.4%とやや低下しています。そのほかでは、バックヤード機器などが主な電気使用量の内訳として挙げられます。
参考:経済産業省|事業者向け省エネ関連情報

 

スーパーマーケットの電気代削減の必要性

電気代の削減は、企業利益の向上にも大きな影響を与えます。本章では、スーパーマーケットの電気代削減の必要性について、その理由を更に詳しく説明します。

電気代の高騰

近年、記録的な円安と燃料価格の高騰により、電気料金は著しい上昇を見せています。2022年度の光熱費は企業の8割で増加となっており、なかでも小売業では1社あたりの増加額も大きく、平均で年間約186万円増加と全業種中で最大となりました。スーパーマーケットなどの商業施設における電気代は膨大なものとなり、企業経営に深刻な影響を与えています。電気代削減は、単なるコスト削減ではなく、企業の存続に関わる重要課題といえるでしょう。

2023年6月から大手電力10社のうち7社は、国から認可を受けて「規制料金」を値上げしています。審査によって最終的な値上げ幅は、当初よりも抑えられましたが、平均23.22%~平均39.70%の値上げとなっています。
関連記事:法人の電気料金の値上げ・高騰を徹底解説。電力会社の適切な比較、見直し方法は?

 

スーパーマーケットの電気代を削減する方法

ここまでスーパーマーケットの電気代削減に関しての基本的な知識と、その重要性について見てきました。しかし、「具体的な対策方法がわからない」「実際にどこから手を付ければ効果的なのか」といった疑問を持つ場合も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはスーパーマーケットの電気代を今すぐ削減できる、実践に向けた具体的な取り組み方法について解説していきます。

スーパーマーケットの冷蔵・冷凍設備で電気代節約

スーパーマーケットにおける冷蔵・冷凍設備は、面積に対してエネルギー消費密度が大きい傾向にあります。冷蔵・冷凍設備は食品の鮮度や品質を維持するために24時間稼働させる必要があり、いかに効率的に冷やし続けるかが大切です。冷蔵・冷凍設備の主な節電方法は、以下の4つです。

1.ショーケースの定期的な清掃を行う
冷蔵・冷凍食品を並べているショーケースは定期的に清掃しましょう。ショーケースにはほこりや小さなごみが蓄積していきます。汚れはショーケースの冷蔵・冷凍性能を低下させる原因となるため、余分な電力消費を防ぐためにも清掃が欠かせません。

2.ショーケース内にカバーを設置する
スーパーマーケットでは食品の鮮度を保つため、ショーケースなどは店舗閉店後も稼働しています。オープンショーケースへナイトカバーを設置すると冷気の漏れを防ぐことができ、ショーケース内の温度が保たれ電気代の削減につながります。また、開店作業時は作業する場所のカバーだけを開けることで、冷気の漏れを防ぐこともできます。

3.冷凍・冷蔵設備の運用を見直す
設備の運用を見直すことも電気代の削減になります。例えば、冷蔵・冷凍設備が接する壁の面積を減らし一か所に集めることで冷却効率がよくなります。また、必要な冷却温度に合わせて設備を使い分けるのもいいでしょう。商品の搬入・搬出時には、長時間扉を開け放さないよう注意しましょう。扉を開けている時間が長いほど多くの外気が侵入してしまい、冷蔵・冷凍設備の庫内温度が上昇し冷却効率が低下します。

4.最新の省エネ設備に買い換える
古い冷蔵・冷凍設備は、省エネ性能の高い新しい設備に比べて、消費電力が大幅に高くなります。買い換えのタイミングを検討し、省エネ性能の高い設備への更新を検討しましょう。

スーパーマーケットの照明機器で電気代節約

商品をよりよいものに見せるため、スーパーマーケットでは照明を明るく設定する傾向にあります。このため、照明機器も電力消費量の大きな割合を占めています。しかし使い方を見直すことで、電気代削減に大きく貢献する機器でもあります。照明機器の主な節電方法には、以下の6つが挙げられます。

1.こまめに消灯する
節電の基本中の基本ですが、意識的に取り組まないと日々の業務のなかで忘れやすくなります。使っていない照明は消灯することを常に心がけ、休憩時間や退勤後などは、必ず消灯する習慣づけを行いましょう。ショーケースやショーウィンドウ、看板の照明を開店直前に点灯したり、閉店直後に消灯したりするのも電気代削減に効果があります。

2.LED照明に交換する
LED照明は、従来の蛍光灯や白熱灯に比べて消費電力が約58〜84%削減でき、寿命は約40倍長持ちする点が特長です。初期費用は高くなりますが、交換の手間を軽減しながらランニングコストの大幅な削減が期待できます。

3.照度を調整する
照度が明るすぎると、無駄な電力消費となります。照度調整が可能な機器であれば、必要十分な明るさに調整することで、節電可能です。店内の照度を定期的に測定し、明るすぎず、その場所にあわせた照度を選びましょう。

4.人感センサーやタイマーを活用する
バックヤードなどでは人感センサーやタイマーを活用すれば、人がいない場所や時間帯の照明を自動的に消灯可能です。人の出入りが多い場所や、定時に退出する部屋などに設置することで節電効果を得られます。

5.省エネ性能の高い照明器具を選ぶ
新たに照明器具を選ぶ際には、省エネ性能の高いものを選ぶようにしましょう。省エネ性能は、照明器具のラベルに記載されています。

6.定期的な清掃を行う
照明器具が汚れていると光の反射効率が低下し、同じ電源でも暗く感じます。定期的な清掃で、節電効果を向上させましょう。

スーパーマーケットの空調機器で電気代節約

商品の質を維持したり、来店者に快適に買い物してもらったりするためにも、空調は必要不可欠な設備です。広い売り場やバックヤードがあればあるほど、空調が占める電気代は大きくなります。そのため空調の節電は、電気代の削減に大きな効果が期待できます。空調機器の主な節電方法は、以下の7つです。

1.設定温度を見直す
空調機器の消費電力は、設定温度と外気温の差が大きくなるほど増加します。夏は28度、冬は20度を目安に設定し、こまめな調整を行うことで無駄な電力消費の抑制につなげることができるでしょう。例えば、リモコンのロック機能を使って、設定温度の管理を徹底することも有効策のひとつです。

2.サーキュレーターを活用する
サーキュレーターを活用すれば、室内の空気を循環させることができるため、冷暖房の効果を高められます。空気の動きにより1カ所に温かい空気や冷たい空気が滞留せず、効率的な冷暖房効果が期待できるでしょう。

3.フィルター掃除をこまめに行う
空調機器のフィルターが汚れると空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が低下します。また、フィルターの目詰まりは機器の稼働に負担をかけるため、電気を余分に消費しかねません。そのため、フィルターは2週間に1回程度掃除し、常に清潔な状態を保ちましょう。

4.日射遮断対策を行う
窓から入る日射は、室温を上昇させる大きな要因となります。夏場は、ブラインドやカーテンを活用し、日射による室温の上昇を抑制すると空調機器の負荷を軽減できます。

5.局所的な冷暖房を併用する
出入口などに局所冷暖房を導入するなど全体的な空調設備と併用し、店内温度を変化させない工夫も大切です。局所的な冷暖房をバランスよく併用することで、電気代削減が期待できる場合もあります。

6.ゾーニングによる空調制御
スーパーマーケット全体を対象とする空調のみでは、売り場は暑いのにバックヤードは寒すぎるといったケースが出てきます。売り場とバックヤードでは稼働時間も異なるため、頻度や時間帯に応じて空調を制御することで、無駄な電力消費を抑えられます。

7.省エネ性能の高い空調機器への更新
古い空調機器は、新しい省エネ性能の高い空調機器に比べて、消費電力が大幅に高くなります。買い換えのタイミングを検討し、省エネ性能の高い空調機器への更新を検討しましょう。空調設備の見直しの際に、上記のゾーニングをあわせて検討するのも効果的です。また、人感センサー付きの機器を導入すれば、人員にあわせて自動的に制御できるため、電気代削減効果が高まります。

 

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スーパーマーケットの当社提携先の新電力に切り替えできた実績(一例)

A社 電気代削減額(年間):約940万円 B社 電気代削減額(年間):約690万円
切り替え前:約9,060万円
切り替え前:約3,380万円
切り替え後:約8,120万円
切り替え後:約2,690万円

注釈:建物の画像はサンプルです。

電気使用状況の「見える化」が省エネと電気代削減のカギ

エネチェンジBizでは電力使用量の年間30分値をいただき、ご要望があれば下図のように電力使用状況の簡易分析を行います。

こちらはとある生鮮食品スーパーのデータです。年間電力使用の特徴は夏型となります。生鮮食品を扱う以上、夏の暑さ対策のために空調を多く使用する事が考えられます。平日、土曜日、祝日と全てほぼ同じ需要カーブを描くのが特徴で、使用量削減には使用電力の大きくなる古い型の空調を使用の際は空調リプレイスなどが効果的です。

また、太陽光システム導入の対費用効果の簡易試算なども同時に行えます。電力会社を見直しすることによるコスト削減はもちろん大切です。

生鮮食品スーパーでは、需要カーブは日中が大きいので太陽光導入をお勧めします。曜日別での需要カーブもほぼ変わらないので太陽光導入が有効的と考えます。

重要なことは自社の電力使用状況を把握し効率よく管理することで社会的貢献や持続可能なビジネスを築くことと考えます。簡易分析もお気軽にご相談ください。