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省エネと室内換気の両立問題、コロナ対策も踏まえてどうすべき?脱炭素化支援が新サービス提供

作成者: エネチェンジBiz編集部|2020/06/15 0:56:28

CO2濃度を下げるために室内の換気を良くすると、空調に負荷がかかってしまうという典型的なジレンマがある。

さらに今年は新型コロナの影響でこうした両立が難しくなっている状況だ。

当然ながらコロナ対策が最も優先されるべきところだが、電気代を抑える観点で室内換気と省エネの問題も出来る限り考慮したいというニーズも多いだろう。

ただビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)の対象にならない中堅規模の企業では、そもそも室内のCO2濃度を計測できていないケースのほうが多い。

「まずは現状把握から始めるという意味で、CO2濃度を手軽に計測できる手段を広めたいという想いがあります」。

そう話すのは、脱炭素化支援株式会社(愛知県名古屋市)の松島康浩氏(代表取締役)。

同社は、主に中堅企業などを対象にした省エネ関連のコンサルティングや補助金申請支援などを手がけている。

また松島氏は、一般財団法人省エネルギーセンターでのセミナー講師や、省エネ情報共有サイト「エネ共」を運営するなど、業界内での情報発信にも積極的に取り組んでいる。

そんな同社が5月に発表したサービスが「注意換気」だ。

「注意換気」では、室内のCO2濃度を計測できる端末や、エネルギー管理士によるアドバイスなどを提供する。

事務所や工場、店舗、福祉施設など、幅広い施設での活用を想定している。

費用は1つの計測点につき月額3,000円(最低10計測点での契約が必要)と、中堅企業でも手が届きやすい価格帯を設定した。

 同サービスについて、松島氏に話を聞いた。

脱炭素化支援(株)の松島 代表取締役

室内換気、ビル管理法を踏まえ対策

室内換気と空調の省エネを両立させることは、夏季や冬季の懸案事項だが、ここにきて新型コロナ対策も考慮する必要が出てきたため、より難易度が上がってしまった形だ。

これら3つのバランスについてどう考えれば良いのだろうか?

CO2濃度をビル管理法の基準値(1,000ppm)以下に抑えることができれば、いわゆる”3の一つである“換気の悪い密閉空間”には当てはまらないと、厚生労働省による資料に書かれています。そのためCO2濃度1,000ppm以下というのが引き続き基準になると思っています」(松島氏)。

そこで「注意換気」によって現状把握を促し、適切な換気対策につなげたいという考えだ。

「もちろんコロナ対策が最優先されるべきですが、空調負荷の増加によって電気代が上がってしまうことも痛い問題です。夏に向けてこうした課題を解決すべく、アドバイスを提供していきたいと思います」(松島氏)。

 

計測デバイスと専門家アドバイスで換気対策

「注意換気」では、主に次のサービスを提供している。

  •  CO2濃度計測器の提供
  • 換気の改善に関するアドバイス(電話・メール・Web会議)
  • 換気に関する省エネのアドバイス(電話・メール・Web会議)

 

エネルギー管理士によるアドバイスは、上記のように非対面が基本になるが、追加オプション(10万円/1回+交通費)で現地訪問を含めた踏み込んだアドバイスを受けることも可能だ。

「弊社のエネルギー管理士は全国に点在しているため、現地訪問も柔軟に対応できます」(松島氏)。

主な活用イメージはこうだ。

CO2濃度計測器は、濃度を示す数値によってランプが3段階で発色する。

  • 緑色:800ppm以下
  • 黄色:8001,200ppm
  • 赤色:1,200ppm以上

 

ランプが黄色や赤色を示したら、事前に決めておいた対策を実施することになる。窓の開け閉めや換気ファンの調整、滞在人数の削減などだ。

 

CO2濃度計測器の例

 

 

「数値がこれくらいまで上がったら窓を開けよう、といった簡単な取り組みでも結構です。メリハリをつけて省エネと換気をする上での基準としてご活用いただけます」(松島氏)。

必要な対策については、同社のエネルギー管理士に相談することになる。

「最低でも2回ほどアドバイスを受ければ、後は自社で対策できると思いますが、新たに課題が出てくれば都度フォローいたします」(松島氏)。

企業による現状把握を促し、省エネのすそ野を広げる意図もある今回のサービス。

「経済が成長しているときは、売上が優先されがちですが、今はコロナの影響で足元を見直す時期にもなっています。このタイミングで省エネに向き合うきっかけとして活用してほしい」と松島氏は話した。

 

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