ビルやマンションのコスト削減において、エレベーターの電気代は精査しておきたいポイントの一つ。実際、エレベーター1機でどれくらいの電力を消費しているのでしょうか。
今回は、エレベーターの電気代について詳しく解説します。電気代節約の方法や、知っておきたい省エネに関する知識もあわせてお届けします。
エレベーターは種類によっても電気代の計算が異なることがあります。まずはどのような種類のエレベーターがあるのか、整理しましょう。
現代のエレベーターは、ほとんどが電動モーターによって動かされており、なかでもロープ式エレベーターが主流です。ロープ式エレベーターは、大きく以下の2種類に分けられます。
もっとも基本的なトラクション式の機械室ありタイプでは、上部の巻上機で効率良い駆動が可能です。また、シンプルなシステム構成のため、低層ビルから超高層ビルまで多様な建物で使用されています。
油圧式エレベーターとは電動ポンプで油圧を制御し、その圧力によってかごを昇降させる低層ビル用のエレベーターです。駆動方式は、主に「直接式」「間接式」「パンタグラフ式」の3種類となっています。
直接式 | 油圧シリンダーの上下する部分に直接かごが設置されているタイプ |
---|---|
間接式 | ロープやくさりを使ってかごに動力を伝えるタイプ |
パンタグラフ式 | アームと油圧ジャッキを用いて、かごを上下させるタイプ |
環境負荷削減や性能向上に向けて新しく開発されたエレベーターには、「リニアモーター式」「水圧式」があり、一部はすでに実用化されています。
リニアモーター式 | リニアモーターの回転を直線運動に置き換える仕組みを採用。将来的には、つり上げるための機械室やロープ不要のエレベーターが誕生することが期待されています。 |
---|---|
水圧式 | 油圧を水圧に置き換えた低層ビル用の水圧式エレベーターは、コンパクトに設置でき環境に優しい点がメリットです。 |
エレベーターの消費電力について、大手メーカー製のエレベーターを例にみていきます。
三菱電機の「AXIEZシリーズ」は、機械室レスを実現したロープ式エレベーターです。「スーパー可変速システム」を採用し、安全性と利便性、乗り心地の良さを追求しています。乗降人数によりタイプはさまざまですが、定員17名で積載量1,150㎏の場合の消費電力は仕様別で5.9~14.0kwです。
同社では、油圧式エレベーターからの変更により、大幅な電気料金削減効果を謳っています。
日立のロープ式エレベーター「アーバンエース HF」は、同社が2021年に発表した標準型エレベーターの新モデル。こちらも乗降人数により多様なタイプがありますが、最大定員
15人で積載量1,000kgの場合は、仕様別で4.6~11kwの消費電力です。
LED照明の採用、利用状況によって減速制御する機能などでエネルギー使用を軽減する仕組みが提供されています。
消費電力がわかれば、年間の電気代を試算できます。前章で確認した消費電力をもとに、電気代を計算してみましょう。
※電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり27円(税込)として計算しています。
「AXIEZシリーズ」消費電力5.9kwの場合、1カ月・1年あたりの電気料金は単純計算で以下の通りです。
「アーバンエース HF」消費電力4.6kwの場合、1カ月・1年あたりの電気料金は単純計算で以下の通りです。
年間の電気代でみれば、エレベーターにかかるコストも安くはないでしょう。どのようにして、電気代を節約すればよいのでしょうか。
エレベーターの各メーカーでは、省エネ設計への取り組みを強化しています。例えば、「かごとおもりのバランスを最適化して稼働時のエネルギーロスを排除する」「照明や制御機器などの待機電力を極力抑える」など、省エネ性能の高いエレベーターに切り替えることで設置コストの節約が可能です。
2016年4月に施行された電力自由化によって、エレベーターの契約も各社からさまざまなプランが提供されるようになりました。電力会社との契約を見直し、切り替えることで大幅な電気料金軽減が期待できます。
エネチェンジBizでは、高圧電力をご契約されている企業法人を中心に、低圧の企業法人も含め、電気代が安くなるお手伝いとして、削減額の無料診断や、複数の電力会社の比較資料の作成、切り替えお申し込みのサポートなどをすべて無料でおこなっています。
今より安い料金プランの会社に切り替えるだけで電気代を安くすることができるので、ビルやマンションの電気代を少しでも安くしたい方は早めの比較検討をおすすめします!以下のフォームからぜひ一度お気軽にお問い合わせください。