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【法人・高圧】電力自由化・新電力のメリット・デメリットが知りたい! 会社の電気を切り替えたい方必見

作成者: エネチェンジBiz編集部|2024/01/24 0:06:22

本記事では電力自由化、新電力のメリット、デメリットについて解説していきます。

電力会社の切り替えをご検討の方に向けて、新電力に関するよくある疑問もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


電力自由化ってなに?

電力自由化とは、2000年から段階的に進められている電気事業の制度改革のことです。電気事業は「小売電気事業」「一般送配電事業」「送電事業」「特定配電事業」「発電事業」事業者があり、今回説明する電力自由化は、このなかの小売電気事業が対象の「電力小売自由化」についてです。

小売電気事業は今までは電気事業法によって、国が定める一般電気事業者(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、 関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)による小売供給の独占が認められてましたが、規制緩和により、他の事業者の電力小売への参入が可能となりました。

2016年4月以降は一般電気事業者も、新規参入の電力会社も「小売電気事業者」という枠組みになりました。ここではわかりやすく今までの大手電力会社を「旧一般電気事業者」、そして新規参入の電力会社については経済産業省が使用している「新電力」という呼称で説明しています。

法人向けは2000年からすでに一部自由化されていた

電圧の区分は低圧・高圧・特別高圧にわかれており、最初の電力の小売自由化は2000年の特別高圧区分でした。特別高圧は受電電圧20,000V以上で契約電力2,000kW以上の大規模工場や大型商業施設、大きめのオフィスビル、病院、学校といった施設で使われています。

その後2004年4月に中小規模工場やビル、ホテルなどでよく使用される受電電圧6,000V、契約電力500kW以上の高圧大口の小売が自由化。2005年4月に小規模工場や小規模ビルで使用される受電電圧6,000V、契約電力500kW未満の高圧小口の小売が自由化されました。

一部の店舗や商店など低圧区分の法人契約を除いて、法人向けの電力自由化は2016年の小売全面自由化よりももっと前から始まっていたのです。

 

2016年4月から低圧も含んだ小売全面自由化

そして2016年4月、一般家庭や店舗、オフィスといった低圧区分の電力が自由化されました。これで、電力小売り全面自由化となりました。ニュースやCMで「電力自由化」というキーワードを目にする方も増えたのではないでしょうか。

では、この電力自由化によってもたらされるメリット、デメリットは一体何なのでしょう。詳しく説明していきます。

 

電力自由化、新電力のメリット

電力自由化のメリットは、選択肢が増えて選べるようになる点です。2016年の小売全面自由化以降、一般家庭向けのメリットが多く取り上げられていますが、電力自由化は企業にもメリットがあります。

メリットその1:競争がおき、電気料金が安くなる

企業にとっての電力自由化のメリット、それは「競争の活性化」による電気料金の引き下げです。今までは旧一般電気事業者が決めた電気料金を契約するしかなく、企業側は「選ぶ」ということができませんでした。しかし今後は新電力という競争相手がいるので、競争原理が働くようになります。

電力自由化によって規制料金が撤廃され、健全な価格競争が起こり、今では各社から特徴のある料金プランもでてきています。基本料金0円の使っただけ電気料金を支払う完全従量制プランや、安さをウリにしたプラン、CO2排出係数を抑えたプラン、地球環境に配慮したプランなど多種多様な広がりをみせてきています。

電気代の削減や、CO2排出量・排出係数の削減、CSRとして地球環境に配慮した取り組みなど、自社の課題や電気の使い方に合せた電気を選ぶことができるようになりました。

メリットその2:電力会社を自由に選べる

もうひとつは消費者が電力会社を選べるようになったということです。電力会社と一口に言っても、会社によってさまざまな特色があります。価値観や電力の消費スタイル、対応の良し悪しなど色々な基準で電力会社を選べるのです。例えば1円でも他社より安いことを追求した電力会社や、基本料金0円で支払いは使った分だけという電力会社、ガスや通信など自社の他サービスとのセット割が選べる電力会社、など各社工夫をこらしています。

また、近くの自治体が運営する事業者から電気を買って電気の地産地消で地元を応援することも、多少電気料金が高くても環境に配慮して、クリーンな再生可能エネルギーや二酸化炭素排出量が少ない(CO2排出係数の低い)電力会社を選ぶ、ということも可能。企業の価値観やイメージに合う電力会社が選べるのです。

メリットその3:請求書がまとまるので事務処理が楽になる場合も

全国各地に工場やオフィス、店舗、施設がある法人では、それぞれの地域の電力会社から別々に請求書が届いていたのではないでしょうか。新電力によっては、切り替えることで支払先をひとつにまとめられるため、事務や経理の負担軽減に繋がります。全国展開されている企業などは、請求書をまとめられるかも確認するとよいかもしれませんね。

メリットその4:電力小売事業に参入できる

電気を買う立場としてのメリットではありませんが、電力小売事業に参入できることもメリットの一つです。電力自由化によって異業種であっても電気を小売できるようになりました。自社発電設備のある会社が小売を始めたり、発電設備をもたなくても、他社から購入した電気を販売することが可能になったのです。

すでに自社で発電所を保有している企業は、小売によって電力事業の拡大が見込めます。今まで電力関係の事業をもっていない企業も、自社製品やサービスと電気をセット販売することにより、魅力やお得感を引き出し、既存顧客への囲い込みや、新たな顧客獲得に繋げることができるようになります。このように電力小売事業への参入によって、ビジネスの幅を広げられるのはメリットといえるのではないでしょうか。

 

電力自由化、新電力のデメリット

電力自由化にはたくさんのメリットがあります。逆に、気を付けなければいけない電力自由化のデメリットは何があるのでしょうか。

デメリットその1:複雑な料金プランの落とし穴

使用状況に合わない電気料金プランを選んでしまうと、逆に電気代が割高になってしまう恐れがあります。これは新電力が数百社もあり、更に各社の料金プランも複雑化して、最適なプランが選べないケースといえます。電力自由化で各電力会社が工夫をこらした料金プランをだしていますが、すべての料金プランが安くなるわけではなく、条件によっては料金が高くなることもあります。

たとえば再生可能エネルギーのため電気料金が高くなってしまっている場合、基本料金が安くなっていても単価が高い場合、単価が安くてもセット割など他に何か契約する場合など、いろいろなパターンが考えられます。選んだプランが本当に希望や条件にあったものなのか、自分の会社の消費電力量や消費の仕方に合っているか、細かい契約の条件はないか、しっかりと確認することをおすすめします。

デメリットその2:電力会社の対応はバラバラ

当然ですが、自由化されて多くの企業が参入する以上、サポートや窓口対応などの品質は会社ごとに異なります。法人の取引先としては、対応が信頼できる電力会社を選びたいですよね。取引する先を選べるのは電力自由化のメリットですが、逆に、どのような取引先を選ぶかは自己責任ともいえるのです。

デメリットその3:契約期間や解約時の違約金に注意

契約内容によっては契約期間や解約月が決められていたり、解約時に違約金が発生するものもあります。必ず初期費用や契約期間、条件、違約金や解約金についてなど、内容をしっかりと確認してから契約するようにしてください。

数百社の中から選んで、何社も見積もりをとって、比較して、契約内容を細かく確認……なんて手間は面倒!という方はエネチェンジBizにご相談ください。ご希望の条件や、電力の使用状況をうかがった上で最適な電力会社をご提案します。複数社の一括見積もりも可能です。

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新電力に対するよくある不安の声

電力会社切り替えと聞くと、多くの人が感じるのは「電気の質」「停電の頻度」「電力会社の倒産」に対する不安ですよね。安心して切り替えてもらうためにも、新電力に関するよくある疑問にお答えします。

電気は安定供給されるのか? 停電が増えないか?

電力の購入先を新電力に切り替える際に、まず気になるのが電力の安定供給です。今まで旧一般電気事業者という大手電力会社から受けていた電力供給を、新電力に切り替えたら不安定になるのでは?と思うかもしれません。たしかに新電力は旧一般電気事業者と比べると規模が異なります。しかし、新電力だから安定供給がされないということは一切ありません。

電力の供給は送電線・配電線などの送配電ネットワークを通じて行われます。この送配電ネットワークが、電気の安定供給の要と言えるのですが、電力自由化後も送配電ネットワークは今までどおり「一般送配電事業者」が担当します。どの小売事業者から電気を買っても、今までと同じ電気が同じネットワークを使って届けられるので、電気の安定供給や信頼性は変わらないのです。

一般送配電事業者(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、 関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)

命を預かっている病院やお客様とテナントへの影響が生じるビル、商業施設では電気の安定供給や停電リスクはかなり気にする部分かと思います。新電力に切り替えても、送電の仕組みと施設は今まで通り各地域の一般送電事業者が担当しておりどの新電力からでも今までと同じ電気が安定して供給され、停電のリスクも増えないので、安心してください。

電力会社が倒産・事業撤退したらどうなる?

万が一、新電力が倒産や撤退する場合でもただちに電力供給が停止することはありません。新たに契約するまでの間、各地域の送配電会社から今までの一般的な料金プランで電力の供給を受けることになります。

とはいえ、再度切り替えの手間が発生することは避けたいですよね。新電力の信頼性を重視する場合の電力会社を選ぶポイントは、電力の調達先から財務の健全性を見ることです。

更に詳しくは以下の記事でご説明しています。興味のある方はあわせてどうぞ。

 

電力自由化・新電力は、メリットもデメリットもあるのでかしこく選ぶことが重要

電力自由化により、企業はさまざまな新電力から電気を選んで買えるようになり、売り手として電気を扱えるようになりました。自由化によって選択肢は増えますが、選ぶことは自己責任になります。メリット・デメリットをしっかりと理解して電力会社を選んでいきましょう。

経営コストを削減するという課題に対して、電力会社の切り替えは大きな削減効果があるものです。停電の心配もなく安定供給はそのままに、安価であったり価値観に合うエネルギーを選べるようになったので、利用しなければ損!ではないでしょうか。

 

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